違った物が量的に比較されるためには、そこになにか同じ大きさの一つの共通物があるはずです。そこで異なった2つの商品の具体的な使用価値を度外視すれば、残るのは物を造ったときに費やした区別のない共通の人間的労働だけだということになります。
そこから、60Kの米も1足の靴も、または3gの金も同じ等しい人間の労働量が含まれていることが明らかになります。だからこそ、交換する60Kの米に含まれた目に見えない労働量を、3gの金や1足の靴といった目で見える商品の身体で測ことが出来るのです。そうした社会的に共通な区別のない抽象的人間的労働の結晶として、これらの交換価値を商品の価値と呼んでいます。
そして労働量の価値を表わす、一番適切で便利な金や銀などが価値尺度となり貨幣となりました。なぜなら金や銀はどの部分をとっても同じ質をもっています。更に価値の大きさの区別も単純に量的なものであり、また純粋に量的な区別が出来るからです。例えば10gの金を採掘するのに10時間の労働を費やしたとすると、1gの金は1時間の労働量を現すことが出来ます。その1gの金を例えば日本では5000円だとか米国では50ドル、独ではXマルク等々と各国の貨幣名で表示しているのです。(因に現在では金本位制は用いていません)
福岡県 北九州市 若松区 ビジネスホテル うめかぜ組合
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